二次障害について
脳性麻痺の二次障害
二次障害とは、脳性マヒ・ポリオなどの人たちが、20~30歳前後からもともとの障害をの悪化や新たに「首や肩の痛み」「手足のしびれ」「重み」などの症状に陥り、身体機能の低下をもたらすものです。脳性麻痺の患者には、持続的な姿勢の異常や、不自然な運動が原因でしばしば二次障害、つまり悪化する例が発生します。
症状としては、年齢を重ねるにつれて、筋緊張、筋緊張に伴う首肩腰手など各関節のこり、しびれ、痛み、こわばり、機能の低下などがみられます。重くなると、頚椎症やヘルニアなどの発症、背骨が曲がる、股関節が脱臼する、左右の手足の長さが何cmも違ってしまう、食事がのどを通らなくなるというような症状がでてしまい、日常生活に支障をきたすことになります。
どんな麻痺でも「生まれたときから硬かった」というのはまれで、時間の経過とともに麻痺が悪化することが一般的です。つまり、だんだんひどくなると考えたほうがいいでしょう。
原因疾患
二次障害は、原因疾患(脳性麻痺など)が手足の麻痺やアテトーゼといった一次障害を引き起こし、それに加齢や労働及び生活環境要因が影響された結果、成人期に発症した二次的疾患によって、引き起こされると考えられています。では、二次障害の原因となる二次的疾患にはどのようなものがあるのでしょうか。ここではいくつかそれを紹介いたします。
| 二次疾患 | 内容 |
| 頚椎症 | アテトーゼ型の脳性麻痺の人に多い病気です。頚椎推体の変形や椎間板ヘルニア、などによって、脊髄や神経根が圧迫されるため、首や腕に痛み、しびれ、まひなどのを引き起こします。 |
| 腰痛症 | 筋の緊張の変化やアンバランスがおきやすい脳性麻痺の人には、腰痛がおきやすいです。坐骨神経痛や腰椎椎間板ヘルニアなども起こります。 |
| 関節のこわばり | 筋緊張のアンバランスによって関節の動きが制限されると、関節が曲がらない、伸びないといった症状を起こします。予防には可動域訓練が欠かせません。 |
| 肩や手の関節炎 | 杖を使用している人は、歩きすぎると肩や手などの関節が慢性的に痛くなることがあります。 また、上肢を使って同じような作業を繰り返していると、肩や腕に痛みや痺れなどがみられます。 |
| 変形性股関節症 | 脳性麻痺による股関節周囲の筋肉や筋緊張のアンバランスにより、起立時や歩行時に痛みがあり、しばしば亜脱臼がおこります。歩行不能の原因となる重要疾患です。 |
| 脊柱側わん症と胸郭変形 | 幼い頃からあった背骨の曲がりが進行し、動きにくくなる、あるいは胸郭が変形するなどして、呼吸機能に障害を及ぼすこともあります。 |
| 原因不明のもの | 上記のほかにも、原因不明で筋緊張が続くようになる、呼吸機能が低下する、病気にかかりやすくなるといった症状が現れることもあります。 |
二次障害の管理には・・・
二次障害は、加齢だけが原因ではなく、その人を取り巻く生活環境、労働環境などがかかわっているケースもあります。二次障害を防ぐ、あるいは進行を抑えるには、個人レベルでできる生活習慣の改善、サポートグッズや家具の使用、理学療法士などによるケア、障害に関する社会制度変革への運動などさまざまなことが必要です。
| 治療・予防策 | 内容 |
| 身体面の訓練とケア | 理学療法士などによる専門家による訓練は欠かせません。成長期に起こるからだの変化に対応できるよう、身体の変形やこわばりが起きないように訓練していきます。 |
| 普段の生活を大切に | 訓練ばかりに集中せず、普段の集団生活にも配慮した日常スケジュールを立てます。 |
| 適切な器具の使用 | 身体に負担がかからないような器具を使用します。どんな補装具、改良器具がよいかは専門家と相談し、長所と短所を考えたうえで決定しましょう。 |
| 生活環境や労働環境の改善 | 二次障害はしばしば普段の生活環境や労働環境が原因になることもあります。身体にあわない生活や労働を行っているのであれば、見直しをはかいrましょう。労働環境の改善は経営者と相談も必要なので難しいかもしれません。この問題は社会全体を含めた見直しが必要なようです。 |
| 精神のケア | 安心してトレーニングなどに取り組めるよう、信頼できる医療機関や人をみつけておきましょう。 |
| 手術も考える | 予防的措置として手術を考えるのも一つの手です。医師から説明をよく聞いて、総合的に手術が必要かどうかを判断しましょう。 |
二次障害について詳しい本
脳性麻痺自体の参考書籍はそれほど多くはありません。その二次障害となるとなおさらです。以下の書籍のなかでは、脳性麻痺の体験談や医師による見解が掲載されておりました。これを読んだから二次障害が治る、劇的に改善するというものではありませんが、ほかのみんながどのように生活しているのか、医師の見解はどうなっているのかを学ぶことができると思います。
二次障害ハンドブック
- 単行本:241ページ
- 出版社:文理閣; 改訂版版 (2007/03)
- 解説:当事者による体験談、座談会、医師や理学療法士などといった各分野の専門家の見解などが記載されています。
- アマゾンのレビュー:二次障害ハンドブック
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