分類ごとの症状
脳性麻痺の症状は、おもに運動発達に遅れがあり、姿勢や筋肉に異常がみられることです。障害の程度や障害がでる部位などは、人によってさまざまになります。
タイプ別にみる脳性麻痺の症状
脳性麻痺の症状は、一般的に緊張の仕方の違いで以下のように分けられます(実際には部分的にこれらの症状が混じっていることがほとんどです)。脳性麻痺と診断された場合、お子さんがどのタイプに当てはまるか確認しておきましょう。また、これらの兆候が見られるかもしれないという方は、早めに病院で診察を受けてください。
運動障害の型
| 種類 | 内容 |
| 痙直型/強剛型/強直型 | 体を硬くする、緊張が強いタイプです。脳性麻痺にもっとも多いタイプで、催眠術にかけられたように体の硬直が強いことが特徴です。両腕をピンと突っ張り、ペンギンのような姿勢になることがよくみられます。一般的には、下肢は突っ張りが目立ち、脚はつま先立ち、足の開きは悪い、骨盤の動きは乏しい、下肢の交互運動がない、手を握り続けるといったと特徴がみられます。関節の障害も生じやすいといわれえいます。 |
| 失調型/弛緩型 | 体をダラリとして力が入りにくいタイプです。弛緩がひどいと、液体のようにフニャフニャした状態になります。そのためバランスがうまく取れなかったり、的確な距離に手や足を出せなかったりすることがあります。多くは、部分的に弛緩しています。 |
| アテトーゼ型/舞踏型 | 体のあちこちが同時に動いてしまうタイプです。たとえば、手を動かすと足も動く、顔を左に動かすと右手が曲がるなどが例としてあげられます。なかでも片腕を曲げて反対の腕を伸ばす姿勢「フェンシング姿勢」が非常にでやすいといわれています。アテトーゼ型の症状は、脳性麻痺の人に強弱の違いこそあれよく現れる症状です。四肢をくねらすような動きと身体のふらつきが特徴的であると踊っているようにもみえるので、舞踏型と呼ばれることもあります。 |
| 無緊張型 | 脳性麻痺の姿勢・運動症状としてははっきりしていませんが、点頭てんかん高位そうなどで、ほとんど動きもなく、座らせても体を折り込んでしまいます。引き起こそうとしても頭が垂れ下がったままのおともあります。重度な知的障害を合併していることが多くみられます。 |
※ 正確には分類はもっと細かく分かれていますが、わかりやすいようにある程度まとめておきました。
部位別にみる起こりやすい症状
ここでは、体の部位別におこりやすい症状をご紹介します。
| 種類 | 内容 |
| 頭 | 後頭部や片側が扁平になる、頭部が小さい、後頭部にはげ |
| 脳 | 脳波に異常、脳細胞が未成熟 |
| 顔 | 開きにくい目、緊張した舌、むくんだ目、小さな耳、緊張した口など |
| 首 | 力が入らない、硬くて動きにくい、上・横・斜めのまま |
| 肩・腕 | 片腕をまげて反対の腕を伸ばす、両腕をピンとはる、太さ・長さの未発達、ひじ・手首・指の屈折 |
| 胸・お腹 | 胸のかんぼつ、変形した胸郭、硬いあるいはやわらかいお腹 |
| 背中 | 折れて曲がる(側湾)、くの字に曲がる(円背) |
| 臓器・呼吸器・循環器 | 各臓器がうごきにくい |
| 腰・お尻 | 肉づきが悪い、左右差がある、尾てい骨が外へでっぱる |
| 股関節・脚 | 交差した脚(はさみ脚)、左右差のある脚、バランスが悪いのに無理に立つ・歩く、骨折しやすい、緊張によって大腿骨が外へ押し出されて股関節の骨が削られ脱臼する、ひざが曲がったまま、伸びすぎたひざ |
| すね・足 | 内・外に曲がる、外反母趾 |
脳性麻痺に伴う合併症
脳性麻痺は、複合的な窓外であるため、さまざまな合併症が起こりえます。次に代表的なものをご紹介します。
| 種類 | 内容 |
| 知的発達障害 | 脳性麻痺患者の50%以上が合併しているといわれています。程度はさまざまで、脳損傷によるものや十分な環境が整わずに本人の行動制限が関係した二次障害の場合もあります。 |
| 視知覚認知障害 | 幼児期にはほかの子供と遊ぶルールが理解できない、学童期では学習障害が現れ図形や文章が理解できない、位置間隔や時間系列などが理解しにくいといった問題が現れます。 |
| てんかん | 脳性麻痺患者の20~40%にみられるといわれています。一般的にはアテトーゼ型より痙直型のほうがてんかんの率が高いとされています。てんかん発作には抗けんれん剤などが使用されます。 |
| 視覚・聴覚・言語障害 | 視覚・聴覚・言語に関してなんらかの障害をもっていることがあります。 |
| 呼吸障害 | 重度の脳性麻痺患者は、アデノイドや扁桃腺肥大による閉塞性呼吸障害、胸郭運動の抑制による拘束性呼吸障害、両者の混在などがみられます。 |
| 摂食・嚥下障害 | 食べ物を口に入れ、噛み、飲み込むといった各段階でなんらかの障害が発生します。重症の脳性麻痺患者では経口での摂食が困難になり、点滴での栄養補給が必要になることもあります。 |
| 胃食道逆流現象 | 重症の脳性麻痺患者では、胃の内容物が胃液と共に食道に逆流してくることがあります。程度が強いと食道炎を起こし、出血を起こします。また、貧血が進行し、体力も低下、さらに肺炎や気管支炎の原因ともなります。 |
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